林業という仕事

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林業という仕事

かつて、季節ごとでの雇用や日給制であった雇用制度は改善が進み
週40時間の労働や、週休二日制が定着し、終業後の自由な時間が大幅に増えました。
賃金に関しても、月給制をとる会社が増えてきています。
また、高性能林業機械の普及により、安全で効率よく作業が進められるようになりました。
安定した就業・安全な作業のなかで森林を守り、人々の生活を守ることができます。

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地ごしらえ(11〜1月)

地ごしらえ(11〜1月)

木材を搬出した跡地を整理して、苗木を植えられるように準備をする仕事です。雑草や枯れ枝などを巻き上げて一定の間隔に並べ、その間に若い苗木を植えていきます。再び活力ある森林に育てるための第一歩の仕事と言っていいでしょう。最近はグラップルによる作業が増えています。

植え付け(2・3月)

桜前線とともに植林の季節がやってきます。根が活動を始める時期で、苗木を根付かせるのに適しています。大きな植穴を堀り、土をかけ、根と土がぴったり密着するようによく踏み固めます。
日本の森林は急斜面が多く、土の堅さが異なることなどから、植え付け作業は手作業に頼らざるをえません。

植え付け(2・3月)

下刈り(6・7・8月)

下刈り(6・7・8月)

梅雨から夏にかけて雑草が生い茂るため、これらは植林した苗木を覆ってその生長を妨げ、場合によっては枯らしてしまうこともあります。そこで雑草やクズやフジのつるなどを取り除いて、苗木がすくすく育つようにします。主に刈払い機を使います。

除伐・枝打ち(9〜12月)

除伐は、植え付けた苗木の生長を妨げる雑木や、健全に生長しそうもない立木を取り除く、活力ある森林に育てるために欠かせない仕事です。枝打ちとは、余分な枝を切り落とすことです。若い樹木は生長が旺盛なので、枝や葉がたくさんついて森林の中に太陽の光が入らなくなり、雑草などが育たず地肌を露出するため雨で表土が流されてしまいます。また、立木そのものも太陽光線を十分に受けられなくなり、雪や風で折れたり倒れたりするので、余分な枝を除去することが大事なのです。

除伐・枝打ち(9〜12月)

間伐(11〜2月)

間伐(11〜2月)

植え付けた苗木が生長して枝が混み合うようになると、健康な樹木に育たなくなるので、混んだ樹木を適当に間引きすることを間伐と言います。森林の中に太陽光線が入るようにしないと、培われて来た栄養分に富んだ表土が流され、森林の公益的機能が著しく阻害されます。そのため、植林後40年間ぐらいまでは間伐を行う必要があります。使用機械はチェーンソーが主流です。

作業道の開設

これから伐採する木材を集積地まで安全で低コストに搬出するため、林内に幅3m程度の道路を開設します。

作業道の開設

主伐(10〜2月)

主伐(10〜2月)

植林してから40年以上経つと、木材として活用できる大きさになります。そのような立木を伐採する作業を主伐と言います。伐採は秋から春までの期間に行うのが一般的です。樹木の水分が少なく、雨も比較的少ないので空気も乾燥するため、品質の高い木材を送り出すのに適した季節なのです。伐採は、ハーベスタやプロセッサといった、高性能林業機械の普及がめざましく、安全で効率よく伐採して、一定の長さの丸太(素材)にして市場に運ばれます。

造材・玉切り

間伐や主伐により伐採された木材を集積地まで運搬するために、3~4mの長さに切断します。この作業は殆どの事業体でハーベスタやプロセッサにより、安全かつ低コスト化が実現しています。

造材・玉切り

運搬

運搬

ハーベスタやプロセッサで玉切りされた木材を積載し、集積地まで運搬するため4~5㎥積載できるフォワーダが殆どの事業体で稼働しています。

輸送

山土場に集積された木材を大型トラック(主に10t)で最寄りの市場まで輸送します。

輸送

木材市場

木材市場

大型トラックにより搬送された木材は大きさ毎に分別され、製材業者により「せり」にかけられ、最高額の業者が落札者とされます。